濡れた石だたみ
鉛のように光って
読み始めの本を落とす
コートのすそは
輝き始めた鉛色と同化し
そのまばゆさに
自分の影を見る
見慣れたシルエット
それはもう巻末を終えるように
着古してしまった
これまでとこれから
永遠に続く物語はない
愛着ゆえの切なさを携え
そしてまた歩き始めた
見た目で「このコートいいな」と思って試着してみると、
これ...なんだか“コートに着られていて、負けちゃってるなぁ”
と感じた経験があります。
“着られている”と感じるのは、肉厚な襟の作りや、
丈が長めのコートのボリューム感に対して
自分とバランスが合っていないところにそう感じ始めて
それ以来、コート選びが少し億劫になっているんです。
ひざ丈ぐらいのコートを長く愛用していたのですが
最近、そのコートと合わせるお洋服選びに悩むことが増えたんです。
例えば、お気に入りのボトムスにコートを合わせた時、
見える部分のバランスがいまいちしっくりこなかったりします。
ロング丈なら、そんな悩みも解決してくれるのかなと
結局探し求めるのは...
“バランスが取れて重みを感じさせないロングコート”でした。
そこでやっと出会えたのが
「オールウェイズコート」でした。
選んだ理由のひとつは「襟」のデザインでした。
チェスターコートのようなしっかり襟すぎず
ステンカラーコートのような襟でもない、“その間”をいく
ジャケットのようなテーラード襟のデザインが
長め丈でも重くならずすっきりとした印象に見えたからです。
そして、もうひとつは着た時の“親近感”でした。
それは、まるで前から知っているかのような馴染みのいい着心地。
ウール素材なのに肉厚じゃないから
秋に着るコートのように、“毎日お決まりのように”ついつい着てしまう
「使いやすさ」があります。
悩みだったお洋服選びの“合う合わない問題”もクリア。
メンズコートのようなゆったりとした作りもあって
大人な雰囲気の「オールウェイズコート」。
生地をふんだんに使っていることで
裾から足元にかけて、空気をはらんでゆらぐと完成するような
ハーモニーが見え隠れします。
膝下まですっぽり覆ってくれるコートだから、
中の洋服に左右されにくくて、
“着てしまえば決まる”のがいいところ。
「オールウェイズコート」の特徴のひとつは
“コートコートしていないところ”です。
「コートを着ています。」のような仰々しさがないので
着る人を選びません。
シルエットで楽しむというよりは、着ている雰囲気を静かに楽しむような
“しっとりと着る”コートです。
“雰囲気”を纏う楽しみのもうひとつが「中生地」です。
遠い異国、アイルランドやスコットランドのような
荒涼とした自然な雰囲気の場所に似合うコートをイメージして
中生地は白いコットン素材になりました。
コートのポケットに入れていた本が落ちて
拾おうとした時、
コートの裾がくたびれているのに気づいた。
そこで私は思いました
「だって、ここ5年ほど、こればっかり着ているもんなぁ。」
クタクタになるまで長く着たこのコート、
それぐらいまでに気に入っていたことにも気づかされる。
そろそろ買い替え時かな…。
〜繊細なニュアンスを表現する日本製〜
「ふたたび洋服も、ファストからスローへ」
「フォローコート」「おかかえバッグ」をはじめとするsoutiencollarの全アイテムは、国内優秀小規模メーカー、少人数アトリエで作られています。
近年の海外大量高速生産に押され、日本製はすでに国内での流通量は全体の2%のみとなりました。
大量生産では出せない、随所に手作業も入る工程による丸みと膨らみ、長年培った技術による人肌感が伝わるひと手間や細工、外見だけでなく安心や優しさもお楽しみください。
soutiencollarのアイテムはこちらから